それはささいな・・・・ツイートから始まった… 「観たら、キマる」この鮮烈なキャッチフレーズとともに、コロナ禍吹き荒れる大厄年2020に放たれる『脳天パラダイス』。 『ロビンソンの庭』(87)、『JUNK FOOD/ジャンク フード』(97)、『リムジンドライブ』(00)、 『水の声を聞く』(14)など独創的な作品で常に時代を先行してきた山本政志監督の最新長編映画だ。 これまで5作品が選出されたベルリン映画祭を始め、カンヌ映画祭、ロカルノ映画祭など、 国際的評価も高い山本監督にとっては5年ぶり待望のメガホンとなった。 本作も、今年のローザンヌ映画祭(スイス)のオープニング上映作品に決定! 併せて、同映画祭では山本監督の特集上映が行われるなど、注目が集まっている。 とにかく、理屈抜きにブッ飛んだ映画を撮ろう――。 そんな執念のもと、村岡伸一郎プロデューサーとの二人三脚で、想いを作品に昇華させた天才・山本監督。 脚本は、現実と虚構を縦横無尽に渡り歩く斬新な舞台で演劇界の注目を集める金子鈴幸(劇団「コンプソンズ」主宰) とともに書き上げた。 穏やかな家族ドラマかと思う間も無く、矢継ぎ早に観客の脳天をブッ飛ばす物語が襲いかかってくる! コメディー、SFX、ミュージカル、動物、ワイアーアクション・・・あらゆる映画要素が目まぐるしく投入され、 しだいに頭の中はパラダイス化され多幸感に包まれてくる。 そして、劇場を出て帰路につくアナタは、なにかと息苦しい〝今〟から解き放たれたような爽快感、 今までと何かが違う自分に気づくことになる。 豪華キャストが、どういうつもりか緊急集結!! そんな前代未聞の映画は、キャスティングも空前絶後の豪華さだ。 主人公の昭子役に南果歩、昭子の元夫・修次役にいとうせいこうのほか、謎のホームレス役に柄本明、 さらに玄理、村上淳、古田新太らが脇を固める。 小川未祐、田本清嵐ほか、オーディションや選考ワークショップを経て抜擢された期待の新星たちのタダ者ではない演技も見ものだ。 新旧入り乱れた役者たちの共演も本作の大きな魅力となっている。 映画の枠組みを完全超越し、超絶体験の連発! 新型コロナウイルスが吹き荒れる2020年秋、あらゆる厄わざわいを吹き飛ばす「脳天パラダイス」へ、ようこそ!!
東京郊外、高台にある一軒の大豪邸。あとは引越し業者のトラックに荷物を積み込むだけとなった部屋を、 やさぐれた表情で見わたす笹谷修次(いとうせいこう)。 家長でありながら、この家を手放す原因を作った張本人である。 引きこもり気味の息子・ゆうた(田本清嵐)は淡々と現実を受け止めている。 一方、生意気盛りの娘・あかね(小川未祐)は不甲斐ない父親にイラつきながら、ヤケクソ気分でTwitterに 「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と地図付きツイート。 そのままフテ寝してしまう。 投稿がリツイートされまくり、瞬く間に拡散している状況を示す通知が鳴り響いていることも知らずに……。 やってきたのは、数年前、恋人を作って家を出たはずの自由奔放な元妻・昭子(南果歩)。 借金まみれになり、一家離散目前の笹谷家にツイッターをみて、次々にパーティー客がやってくる。 インド人のゲイカップル、やる気のない運送業者、手癖の悪いあかねの友人、台湾から来た観光客の親子、酔っ払いのOL、 恋人を探しているイラン人、謎のホームレス老人(柄本明)、……。 そんな中、来客を頑なに追い返そうと一人奮闘する修次だったが、珍客はどんどん増え続ける。 しだいに豪邸は、ドンチャン騒ぎを超えた、狂喜乱舞の縁日の境内状態になっていく。 笹谷一家の引越しは!? いやいや、もうそれどころじゃない! 客たちによって一家の運命はめくるめく奇々怪々と狂喜乱舞へと導かれていく……! これは現実か、それとも幻覚か、果たして彼らの行く末は!? もう誰も逃げられない。 『脳天パラダイス』への扉が今、開いてしまったのだ!