遺書、公開

Will Published

遺書、公開

Will Published

2025年01月31日公開

Director

英勉

Cast

吉野北人  
宮世琉弥  
志田彩良
松井奏 
髙石あかり 
堀未央奈 
忍成修吾
上村海成
川島鈴遥 
荒井啓志 
松本大輝 
星乃夢奈 
榊原有那 
藤堂日向 
菊地姫奈 
大峰ユリホ
阿佐辰美 
兼光ほのか 
日髙麻鈴 
大東立樹 
金野美穂 
鈴川紗由 
浅野竣哉 
青島心 
楽駆

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

私立灰嶺(かいれい)学園2年D組の生徒24人と担任教師に、新学期の朝、「2-D序列」と書かれたファイルがメールで届く。そこには全員の名前が1位から25位までの順位と共に並んでいた。タチの悪いイタズラだとしたら、クラスの序列は誰が何のために決めたものなのか? 犯人が分からないまま時は過ぎ、半年後、事件が起きる。

誰もが羨む序列1位の姫山椿が学内で謎の自殺を遂げたのだ。衝撃の事態にクラスの全員が動揺。気持ちの整理ができない彼らが葬儀後に教室に立ち寄ると、24人の机の上に文面の違う姫山からの遺書が置かれていた。

死んだ姫山の遺書がなぜ教室に? 1位の彼女はそもそもなぜ自殺したのか? 遺書は本当に姫山が書いたのか? 疑心暗鬼のムードが漂うなか、姫山の自殺の真相に迫るべく、24人全員が自分の遺書をクラスメイトの前で公開することになる。だが、その異例の遺書公開によって、姫山の秘密を公にさらす24人全員のドス黒い本当の顔が次々に炙り出されていく……。

【序列】…1.順序をつけて並べること。順に並ぶこと。2.一定の基準に従って並べた順序。決まった順序。

国語辞典にそう記されているこのヒエラルキーの構図は、はっきりとした順位は示されないもの、学校や会社、団体やチーム、コミュニティなどでカーストと呼ばれ、ぼんやりと自然に設定されているものだ。だが、その順序は、誰がどんな権限で、何を基準に決めたものなのか? 本作は、そんな誰もが疑問に思っていた歪んだ常識に一石を投じる衝撃のスクール・カースト・サスペンス!

2-Dの24人の生徒を演じるのは、THE RAMPAGEの吉野北人や『恋わずらいのエリー』(24)の宮世琉弥、『恋を知らない僕たちは』(24)の志田彩良、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ(21・23・24)の髙石あかり、乃木坂46の元メンバーでホラー映画ファンとしても知られる堀未央奈などなど、未来のエンタメ界を担う注文の次世代俳優&アーティストたち。『リリイ・シュシュのすべて』(01)などの忍成修吾もそこに担任教師役で参戦し、全員が人当たりのいい表向きの顔と誰にも見せないヤバい素顔を演じ分け、楽しそうにキャラ変しながら観る者を翻弄し続ける。

原作は陽 東太郎の同名コミック(ガンガンコミックスJOKER )。その奇抜な設定に惚れ込んだ鈴木おさむの手がけたシュールなシナリオを、『東京卍リベンジャーズ』シリーズ(21・23)、『賭ケグルイ』(18〜21)など群像劇に定評がある英勉監督が映画化! 『ハンサム★スーツ』(08)以来16年ぶりとなるふたりのタッグが、それぞれの遺書の内容と虚実が入り乱れた記憶を織り交ぜながら、美しくもおぞましい人間の本性を容赦なく暴いていく。

表と裏の顔を巧妙に使い分ける25人。彼らの本当のキャラクターを、持ち前のエッジの利いたスピーディなタッチでしっかり炙り出す英監督の演出もスリリングだ。

果たして、姫山の遺書は本物なのか? 遺書の公開で得をするのは誰なのか? 予想だにしない驚愕の真相が明かされるクライマックスまで、25人の言動から一瞬たりとも目が離せない!

Story

新学期の始業式の朝、私立灰嶺学園2年D組の全員に1通のメールが届く。「2-D序列」と書かれたそのファイルには、担任の甲斐原(忍成修吾)と24人の生徒の名前が1位から25位までの順位と一緒に綺麗に並んでいたが、1位になった姫山椿(堀未央奈)が「1位に相応しい人間になるように頑張ります」と言って笑い飛ばし、単なるイタズラとして片づけられる。

だが、その半年後の10月に事件が起きる。学園の女子トイレで首を吊って自殺している姫山を、同じクラスの御門(序列3位/髙石あかり)が発見。しかも、その3日後の日曜日には、姫山の葬儀の帰りに教室に立ち寄った生徒たちにさらなる衝撃が走る。全員の机の上に「遺書 姫山椿」と記された封書が置いてあり、その文面がひとりひとり違っていたのだ。

すると、「これは本物だと思います。半年間つき合った俺には分かる」という姫山の彼氏・赤﨑(序列2位/松井奏)のひと言をきっかけに、谷地(序列15位/兼光ほのか)が「もしかしたら、姫山さんが自殺した理由が書いてあるのかも…」と騒ぎ、大島(序列5位/川島鈴遥)も「だとしたら、この遺書、みんなで公開し合わない?」という思いがけない提案を口にしたため、教室は騒然とした空気に。「ふざけるな! 死んだ姫役がどうやって遺書を置く? タチの悪いイタズラに決まってる!」という甲斐原(序列10位)の言葉に誰も耳を傾けることはなく、「悪いけど、僕ら10位の先生より1位の姫山さんが好きなんですよ」と言う千蔭(序列16位/宮世琉弥)の訴えを最後に全員の遺書の公開が翌日のクラスルームから実行に移されることになる。

先陣を切ったのは赤﨑だ。遺書を読み上げるその言葉が次第に涙声になり、聞いている栗原(序列8位/星乃夢奈)や峠谷(序列21位/金野美穂)の頬にも涙がつたう。その後も日を改めて挙手をした者から順番に遺書を公開。横山(序列7位/松本大輝)は遺書の文面だけではなく、姫山が成績の落ち込みで悩んでいたのではないか? という持論を展開する。

さらにその日の夜、沢渡(序列22位/鈴川紗由)の遺書がフードを被った何者かに奪われる事件が勃発。翌日、廿日市(序列20位/志田彩良)は「遺書を公開されると都合の悪い人がいる…」と呟くが、「今日は(遺書の公開を)止める?」という大島の心配を跳ね除けるように池永(序列19位/吉野北人)が「やろうよ!」と語気を強め、御門も「徹底的に探ろうよ。誰が悪いか」と賛同する。

しかし、6通目の遺書を公開した谷地が、「私、気づいたの。姫山さんの自殺した理由」と言って、姫山の両親が離婚していることや、彼女の身体に母親からの虐待でついたに違いない痣があることを得意気に話したため、御門が「椿はね、あんたのことで悩んでいたんだよ!」と噛みつく。こうして、友だち思いのふりをして、実はただの噂好きの谷地の素顔が暴露され、教室内はさらにザワつく。だが、そんな2年D組の狂乱ぶりを分析するように遠くから冷徹に見つめる目線があった……。

果たして序列を作ったのは誰なのか? 遺書を書いたのは本当に姫山なのか? 彼女はなぜ自殺の道を選んだのか? 遺書が公開されるにつれて謎が次々に明かされていく。