『パレード』『悪人』『横道世之介』『怒り』など数多くの小説が映画化されてきたベストセラー作家、吉田修一。多様なジャンルの話題作、問題作を世に送り出し、近年も『MOTHER マザー』『星の子』で絶賛を博した大森立嗣監督。モスクワ国際映画祭審査員特別賞ほか国内外で賞に輝いた『さよなら渓谷』以来、10年ぶりに両者のタッグが実現した『湖の女たち』は、全編にわたって観る者の理性と感性を激しく揺さぶり、比類なき衝撃的な映画体験をもたらすヒューマン・ミステリーである。 「今、世界は美しいのだろうか」 あなたの感性を激しく揺さぶる、141 分の黙示録。 琵琶湖湖畔の介護施設で 100 歳の老人が殺された。誰が、何のために・・・!? その謎を追う刑事と容疑者として嫌疑をかけられる介護士の女は、深淵なる湖に沈んだ、恐るべき真実にのみ込まれていく−。
湖畔の介護施設で百歳の老人が殺された。誰が、何のために...? 事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・圭介とベテランの伊佐美は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。 一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件と署が隠蔽してきたある薬害事件に関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実・・・。 それは、我々の想像を超えた過去の闇を引き摺り出すー。そして、後戻りできない欲望に目覚めてしまった、刑事の男と容疑者の女の行方とはー。