メガロポリス

Megalopolis

メガロポリス

Megalopolis

2025年06月20日公開

Director

フランシス・フォード・コッポラ

Cast

アダム・ドライバー
ジャンカルロ・エスポジート
ナタリー・エマニュエル
オーブリー・プラザ
シャイア・ラブーフ
ジョン・ ヴォイト
ローレンス・フィッシュバーン
タリア・シャイア
ジェイソン・シュワルツマン
ダスティン・ホフマン

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

2025年最大の注目作、そして映画史に名を残すことが運命づけられた
巨匠コッポラの集大成

『ゴッドファーザー』三部作(72~90)、『地獄の黙示録』(79)などの名作で、映画史にその名を刻む巨匠フランシス・フォード・コッポラ。80歳を超えた彼がその生涯を賭けて挑んだのが、この『メガロポリス』だ。2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で初披露されるやいなや、世界中にその衝撃が走り、話題騒然となった。それは2000年の時を超え、古代ローマと現代のアメリカを重ね合わせた空前絶後の物語。21世紀、富裕層と貧困層の格差激しいアメリカ共和国の大都市ニューローマを舞台に、様々な困難に直面しながらも、すべての人が幸せに暮らせる理想社会“メガロポリス”開発に挑む天才建築家カエサル・カティリナの姿が、唯一無二の世界観、圧倒的な映像美と共に綴られる。コッポラ監督自らが「野心的な作品」と称した、映画史に名を残すことが運命づけられた2025年最大の注目作だ。

構想40年、コッポラが映画監督としての生涯をかけて挑んだ一大叙事詩

かつて、19世紀後半のアフリカ・コンゴを舞台にしたジョセフ・コンラッドの小説「闇の奥」から、ベトナム戦争を題材にした『地獄の黙示録』を生んだコッポラは、映画監督として名声を確立した1980年代初頭、ローマ共和国の貴族ルキウス・セルギウス・カティリナが国家転覆を目論んだ「カティリナの陰謀」に関する本を読んだことをきっかけに本作を着想。「この物語をどうしても書きたかった。ノートにアイデアや、本を読んでいて見つけたことを書き
始めた」と脚本執筆に着手する。しかし、幾度と重なるプロダクションの中断、資金調達の問題など、過去の作品と同様にこのプロジェクトも順調には進まなかった。結果、大型スタジオ作品並みの予算である1億2000万ドル(約186億円)もの制作費はコッポラの私財を投じ調達。自分が作りたい映画を作るという信念の下、コッポラの集大成となる壮大な一大叙事詩がついに完成した。

“地獄”を描いたコッポラが託したものは、未来への希望

「未知に飛び込むことは自由の証」と唱え、人類の希望である“メガロポリス”開発に尽力するカエサルには、真の芸術を追求し、映画製作に人生を捧げてきたコッポラ自身の姿が重なる。同時に、長い時を経て熟成された物語からは、9.11アメリカ同時多発テロからリーマンショックに象徴される経済危機、貧困や差別に起因する格差や分断など様々な歴史の影が滲み出す。それをさらに古代ローマと重ね合わせることで、何度も繰り返される人類の歴史を凝縮したかのような、まるで40年前から現代の混乱を予言していたかの如く他の誰にもなしえない唯一無二の現代社会へのアンチテーゼへと昇華させた。だが、コッポラが紡ぐ物語の根底に流れるのは暗い絶望ではなく、偉大なる奇跡“人類”を信じるコッポラの希望と、未来は今にかかっているという力強いメッセージが込められている。

巨匠フランシス・フォード・コッポラが
映画人生をかけて完成させた『メガロポリス』
ついにその全貌を現す!

ハリウッドのシステムに依らず映画を完成させたコッポラの情熱

コッポラが「300回は書き直したに違いない」と語るプロセスを経て『メガロポリス』の脚本は完成した。だがその後の歩みは、今や伝説となった『地獄の黙示録』の舞台裏を思わせる困難続きだった。2001年夏、コッポラはニューヨークで台本の読み合わせを実施する。参加したのは、ロバート・デ・ニーロ、ポール・ニューマン、レオナルド・ディカプリオ、ユマ・サーマン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ラッセル・クロウなど、錚々たる顔ぶれ。ところがそのとき、9.11アメリカ同時多発テロが発生しプロジェクトは中断。その後も製作の可能性を探り続けたコッポラだったが、プロジェクトの開発支援が得られなくなった2007年に一度は断念を覚悟。それから10年以上が経過し、コッポラが80歳を迎えた頃、新型コロナウィルスによるパンデミックを機にプロジェクトは再始動する。しかも、コッポラは本作を自己資金のみで製作することを決意し、先祖代々手掛けるワイン事業の一部を売却。こうして自身の製
作会社アメリカン・ゾエトロープによる、前代未聞の大型インディペンデント作品が誕生した。

巨匠コッポラの下に集結した新旧キャストたちの豪華競演

積年の夢の実現に漕ぎつけたコッポラの下に集まったのは、今をときめく豪華キャストだ。主人公カエサル役には、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)のカイロ・レン役で知られるアダム・ドライバー、カエサルの因縁の相手・キケロ市長役には、20年以上前に脚本を読んでからオファーを待ち続けていた『コットンクラブ』(84)のジャンカルロ・エスポジート。カエサルの伯父である大富豪ハミルトン・クラッスス3世には、『レインメーカー』(97)のジョ
ン・ヴォイト。カエサルの補佐役兼運転手、語り部ともなるフンディ・ロマイーネ役には、『地獄の黙示録』(79)以来、コッポラ作品の常連となったローレンス・フィッシュバーン。カエサルの母コンスタンス・クラッスス・カティリナには、『ゴッドファーザーPARTII』(74)でアカデミー賞助演女優賞候補となったコッポラの実妹タリア・シャイア。
また、カエサルを敵視する従弟のクローディオ・プルケルに扮するシャイア・ラブーフは、念願のコッポラ作品初出演を果たした。さらに、本作出演を熱望しながらも、クランクイン前に他界した『ゴッドファーザー』のジェームズ・カーンの遺志を継ぎ、ヌッシュ・‘ザ・フィクサー’・バーマンを演じるのは名優ダスティン・ホフマン。このほか、2人の対照的なヒロイン、カエサルと愛を育むキケロの娘ジュリアと野心的なワオ・プラチナムにはそれぞれ、「ゲーム・オブ・スローンズ」(13~19)のナタリー・エマニュエルと「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル(シーズン2)」(22)のオーブリー・プラザという旬の女優が起用された。
コッポラの世界観、壮麗で圧倒的な映像美を実現したベテランたち近未来ニューローマ、その世界観とルックを実現するためコッポラが信頼を寄せるスタッフたちが集結した。目を見張るような豪華絢爛なプロダクションデザイン、古代と現代と未来が共存する衣装、街そのものが生きているような特殊効果などコッポラの集大成に相応しい仕上がりとなった。
撮影監督は、『コッポラの胡蝶の夢』(07)で出会い、これが4度目のタッグとなるミハイ・マライメア・Jr.。衣装デザインは『タッカー』(88)でアカデミー賞候補にもなったミレーナ・カノネロ。重厚な史劇を思わせる音楽を手掛けたのは、こちらも4度目のタッグとなるオスバルド・ゴリホフ。セカンドユニット監督には、信頼する息子のロマン・コッポラを起用。視覚効果スーパーバイザーを務めたのは、『ブラックパンサー』(18)で英国アカデミー賞特殊視覚効果賞に輝いた甥ジェシー・ジェームズ・チザムだ。また、ロケとセットとVFXを巧みに組み合わせて構築された風景は、『ゴッドファーザー』に登場する20世紀前半のニューヨークのように、人の息遣いが感じられるリアルな街並みとなった。着想から40年を経て結実した物語のスケールの大きさ、そして先鋭のクリエイターたちによる壮麗な映像美に度肝を抜かれること必至だ。

Story

21世紀、アメリカ共和国の大都市ニューローマでは、享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。市の都市計画局局長を務めるカエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)は、新素材メガロンの発明でノーベル賞を受賞した天才建築家。その上、密かに時間を止める特殊能力を持っていた。名門クラッスス一族の一員である彼は、伯父の大富豪ハミルトン・クラッスス3世(ジョン・ヴォイト)の後ろ盾を受け、
メガロンを利用した新都市“メガロポリス”開発を推進する。それは、すべての人間が平等で幸せに暮らせる理想社会だった。

だが、財政難という課題を現実的に解決しようとする新市長のフランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は、カジノ建設を計画し、カエサルと真正面から対立。しかも、元検事のキケロには、かつてカエサルを妻サニー・ホープ(ヘイリー・シムズ)殺害の容疑で告発しながらも、無罪で決着した因縁があった。

父に対する侮辱に憤ったキケロの娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル)は、いたずらで手紙を送ったことをきっかけに、カエサルと面会。対話を通じてメガロポリス開発に対するカエサルの思いに共感したジュリアは、父との仲を取り持とうと、その下で働き始める。

まもなく、カエサルの恋人で、テレビ番組の司会を務める野心的な金融ジャーナリストのワオ・プラチナム(オーブリー・プラザ)が、クラッスス3世と結婚。それを盛大に祝うパーティーが巨大なコロッセオに市民を集めて開かれるが、その席でカエサルと未成年の人気歌手、ウェスタ・スウィートウォーター(グレース・ヴァンダーウォール)の性的スキャンダル動画が流出。カエサルは逮捕される。だがそれは、クラッスス3世の孫クローディオ・プルケル(シャイア・ラブーフ)が用意したフェイク動画だった。クローディオは、一族の後継者としての自分の立場を脅かすカエサルを敵視し、罠に陥れたのだ。

間もなくジュリアの尽力で身の潔白が証明され、釈放されたカエサルは、彼女の激励を受けて逮捕以来、失っていた時を止める能力を取り戻し、ついに2人は愛をかわす。ジュリアに支えられたカエサルは、再びメガロポリス開発に邁進する。
ところがその時、老朽化したソ連の人工衛星が軌道を外れて地上に落下する事故が発生。ニューローマは大きな被害を受け、メガロポリス計画は都市再建の柱となる。やがてジュリアがカエサルの子を身籠り、すべてが順調に進むかと思われたある日、カエサルがクローディオの手下に銃撃される事件が発生。かろうじて一命はとりとめたものの、重傷を負ったカエサルは、昏睡状態の中、元妻の死の真相とメガロン発明の真実に思いをはせる。一方、婚前契約によって自分にクラッスス一族の銀行を相続する権利がないと知ったワオは、クローディオと結託し、乗っ取りを企む。
果たして、カエサルが進めるメガロポリス開発の行方、そして、ジュリアと生まれてくる子どもの未来は......?

Poster

メガロポリス