12日の殺人

La Nuit du 12

12日の殺人

La Nuit du 12

2024年03月15日公開

Director

ドミニク・モル

Cast

バスティアン・ブイヨン
ブーリ・ランネール
テオ・チョルビ
ヨハン・ディオネ
ティヴー・エヴェラー
ポーリーヌ・セリエ
ルーラ・コットン・フラピエ

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

 思いもよらぬ様々な「偶然」が重なって起きるある殺人事件を描いたサスペンス『悪なき殺人』の鬼才ドミニク・モル監督が、新たに挑んだテーマは「未解決事件」だった。そして、この『12日の殺人』は、フランスのアカデミー賞に相当するセザール賞(2022)で、最優秀作品賞、最優秀監督賞をはじめ、見事最多の6冠に輝いている。

 「未解決事件」、この言葉に人はどこか強く引きつけられる。それは、謎を解き明かしたい、真実を知りたいという、人間の根源的な欲望を刺激するものだからかもしれないが、そのテーマは、実際に起こった事件をもとにしたものであれ、完全なるフィクションであれ、これまで数多くの優れた映画監督たちをも虜にしてきた。『12日の殺人』は、中でも、モルがフィンチャーの映画でもっとも好きだと公言している『ゾディアック』のように、行き詰まるような犯人探しだけでなく、事件にのめり込むうちに、いつしか私生活にも影響を受けていく捜査員たちの日常をも丁寧に掬い取った優れた人間ドラマにもなっている。

 脚本は、モルと、モルの出世作となった『ハリー、見知らぬ友人』(2000)からコンビを組むジル・マルシャンが担当し、見事セザール賞の最優秀脚本賞を受賞した。音楽は、アルチュール・アラリの『汚れたダイヤモンド』や『ONODA 一万夜を越えて』(2021)で知られるオリヴィエ・マルグリとの初タッグとなった。非番の日に自転車に乗ることで何とか精神の均衡を保っている班長のヨアンを演じたのは、『悪なき殺人』(2019)でも警官役だったバスティアン・ブイヨン。この役でセザール賞の最優秀新人賞に輝いた。ヨアンの相棒で、私生活に問題を抱えているマルソー役に、日本では『素顔のルル』(2013)や『あさがくるまえに』(2016)などで知られるブーリ・ランネール。ラネールも、この演技で、セザール賞の最優秀助演男優賞を受賞。
 セザール賞最多6冠の他に、リュミエール賞の最優秀作品賞、最優秀脚本賞、ベルギーのマグリット賞の主演男優賞(ブーリ・ランネール)、最優秀外国映画賞なども受賞。また、フランスの映画情報サイト「AlloCiné」では、プレス枠で星4.4、観客枠で4.0の高スコア。評価の厳しさで知られる新聞「Libération」紙や、映画批評誌「Positif」は5.0の最高評価を与えている。

Story

10月12日の夜、ある女子大生が何者かに殺されたー
だが刑事はまだ知らなかった、
この“未解決事件”が自分自身を蝕んでいくことを。
フランス南東の地方都市グルノーブルで、10月12日の夜、帰宅途中の21歳の女性が何者かに火をつけられ、翌朝焼死体という無惨な姿で発見される。そして、地元警察でヨアンを班長とする捜査班が結成され、地道な聞き込みから次々と容疑者が捜査線上に浮かぶも、事件はいつしか迷宮入りとなってしまう…浮かび上がる容疑者、そして掴めない証拠。
あなたも気がつくだろう、いつの間にかこの事件に蝕まれていることをー。