かなさんどー

Kanasando

かなさんどー

Kanasando

2025年01月31日公開

Director

照屋年之

Cast

松田るか 
堀内敬子 
浅野忠信
Kジャージ 
上田真弓 
松田しょう 
新本奨 
比嘉憲吾 
真栄平仁 
喜舎場泉 
うどんちゃん 
ナツコ 
岩田勇人 
さきはまっくす
しおやんダイバー  
仲本 新  
A16 
宮城恵子  
城間盛亜 
内間美紀 
金城博之 
前川守賢 
島袋千恵美 

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

監督独自の死生観と笑いを交えて描く、
愛おしくて切ない心揺さぶるヒューマンドラマ

照屋年之監督は、1995年に結成したお笑いコンビ「ガレッジセール」で”ゴリ”として活躍する傍ら、2006年に短編映画『刑事ボギー』で映画監督デビューを果たし、同作でショートショートフィルムフェスティバル〈話題賞〉を受賞。さらに『南の島のフリムン』(09)で初の長編監督を務めた。そして2019年に公開された『洗骨』は、沖縄の離島・粟国島に残る風習「洗骨」をテーマに、家族の絆や祖先とのつながりをユーモアを交えて描く照屋監督ならではのアプローチが口コミで話題を呼び、全国128館での上映、沖縄県内だけで6万5千名超を動員する大ヒットを記録。モスクワ国際映画祭、上海国際映画祭など各国の映画祭にも出品され、監督として日本映画監督協会新人賞を受賞した。
照屋監督6年ぶりの長編となった本作は、照屋監督のルーツである沖縄を舞台に、死生観といった、ともすれば重くなりかねないテーマに笑いのアクセントを加え、物語のラストは思いもよらない温かい涙で包まれる照屋監督らしさはそのままに、夫婦と親子の愛に深く迫る新境地を見せている。

照屋監督のもとに実力派豪華俳優陣が集結!

主人公の知念美花役を務めるのは、沖縄出身の女優・松田るか。テレビドラマ「仮面ライダーエグゼイド」(16、テレビ朝日)や「賭ケグルイ」シリーズ、連続テレビ小説「ちむどんどん」(22、NHK)、大河ドラマ「光る君へ」(24、NHK)など若手女優として幅広く飛躍し続け、本作では両親のことが理解できず反発を覚えるものの、やがて二人の間の本当の絆を知っていくという難しい役どころを、時にユーモアも交えながら情感たっぷりに演じ切っている。さらに本作の予告編では、主題歌「かなさんどー」をカバー歌唱しており、沖縄出身ならではの美しい島言葉と、沖縄民謡の歌声にも注目だ。

美花の母、町子役は堀内敬子。劇団四季出身で数々のミュージカル作品でヒロイン役を務め、99年の退団後もテレビ、映画、舞台など幅広く活躍。本作では、美花と衝突しながらも一途に悟を愛し続ける町子の姿を、女性としても母としても美しく、強く演じ切っている。また、ミュージカルで鍛えられた歌唱力を活かした「かなさんどー」の歌声は、作品をより一層美しく引き立てている。

そして美花の父、悟役は、数多の舞台、ドラマ、映画に出演し、名実共に日本の映画界屈指の俳優の地位を確かなものとしている浅野忠信。エミー賞史上最多の主要部門を含む25ノミネートを記録した『SHOGUN 将軍』 (24/Disney +他)などハリウッドでも活躍する精力的な活動を続けており、本作では、病になる以前の明るく奔放な頃と、認知症が進んだ後のほとんど感情を表に出せなくなった後という、対照的な姿を圧倒的な演技力で演じ分けている。特に、認知症を患いながらも、限られたセリフと表情で感情を伝える演技は圧巻で、その笑顔と涙は強く記憶に刻まれることだろう。

“かなさんどー”、それは沖縄方言で“愛おしい”という言葉――

タイトルの“かなさんどー”は、沖縄方言で“愛おしい”という意味の言葉。そして物語の中で、悟と町子の愛を育むきっかけとして重要な、夫婦の強い愛を歌う沖縄民謡の曲名でもある。三線の音色に乗せて何度も歌われるこの歌は、島の自然の中、島の風に乗り、美しく響く。飲み歩いて帰って来ない父を待ち続ける母のことも、母に迷惑をかけ続ける父のことも理解できない美花だったが、故郷・伊江島の自然と文化に囲まれて過ごすうちに、やがて二人の本当の愛を知ることになる。

舞台は沖縄県・伊江島。オール沖縄ロケの郷愁漂う美しい映像

オール沖縄ロケで撮影された映像は、伊江島の花・テッポウユリ、島を見守る山・伊江島タッチュー、サトウキビ畑、島のご当地グルメ、沖縄民謡「かなさんどー」…と、島の美しい自然と文化、そして島の人々の温かさに満ちている。そんな島の魅力を余すことなく詰め込んで、ゆったりと時間が流れる優しい空気に満ちた本作。
笑って泣いて、見終わった後にはきっと大切な人のことを思い出し、会いたくなる。そんな美しく、優しい作品だ。

Story

7年ぶりの帰郷。見つけたのは、今は亡き<母の日記>。
記憶の糸をたぐり、いま、止まっていた時計が再び動きはじめる――

 妻・町子 ( 堀内敬子 )を失った父・悟 ( 浅野忠信 ) は、年齢を重ねるとともに認知症を患っていた。娘の美花 ( 松田るか )は、母が亡くなる間際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父親を許せずにいる。そんな父・悟の命が危ないと知らせを受け、苦渋のなか故郷・沖縄県伊江島へ帰ることに。父との関係を一向に修復しようとしない美花だが、島の自然に囲まれ両親と過ごしたかけがえのない時間を思い返すなか、生前に母が記していた大切な日記を見つける。そこで知ったのは母の真の想い、そして父と母だけが知る< 愛おしい秘密 >だった...。