本当にあった話(の話)

F(r)iction

本当にあった話(の話)

F(r)iction

2026年10月2日公開

Director

武井佑吏

Cast

水上恒司
黒木華
山下美月
大東駿介
山本浩司
小池栄子
佐々木蔵之介

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

 今から数十年前に起きた衝撃的な事件。夫を殺害し、戸籍を引き継いだ男と夫婦生活を送る女が、新しい男と結ばれるためさらに殺人を繰り返した〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉は、世間を震撼させた――。
 そんな実話にもとづく舞台劇の制作が決まり、殺害される主人公役に抜擢されたのは、演技経験のない夛田だった。しかし役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、やがて虚構と現実の境界を見失い、ついに演じる人物と一体化してしまう。そして夛田の妄想は、舞台の関係者たちを巻き込み、すべてをぶち壊しにする。
「おかしいのはお前たちだ! 僕は本当のことを言っているだけだ!」
“実際に起きた殺人事件”というフィクションを題材に、虚構が現実を、妄想が真実を飲み込んでいく、その戦慄と興奮を毒気混じりのユーモアで描き出した、世にも不気味な物語。
 監督は初長編作『赤色彗星倶楽部』で「PFFアワード2017」日活賞および映画ファン賞、「第11回田辺・弁慶映画祭」グランプリを獲得し、NHK『今夜の旅はドラマチック/プラハ編』で「第37回ATP賞テレビグランプリ」優秀新人賞を受賞した武井佑吏。期待の大型新人が本作で商業映画デビューを飾る。
キャストには、新人監督の作品でありながら、独創的な脚本に魅了された、豪華俳優陣が集まった。主人公の夛田を演じるのは、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀新人賞を受賞し、最近ではドラマ『シナントロープ』や映画『TOKYO BURST 犯罪都市』など話題作に続々と主演する水上恒司。“本当のこと”を盲信して暴走するキャラクターを、うす気味悪く、強烈な存在感で怪演した。そして舞台を手がける脚本家の垣原に小池栄子、演出家の加藤に佐々木蔵之介、もうひとりの舞台の主人公を務める米良に黒木華と、人気も実力も兼ね備えた俳優たちが顔を揃えている。
  原作は、芥川賞候補作家の鴻池留衣による中篇小説『本当にあった話(の話)』(初出タイトル『フェミニストのままじゃいられない』から改題)。
音楽は、10代まで日本・パリ・香港で過ごし、現在は東京を拠点に活動するシンガーソングライター、音楽プロデューサーのMaika Loubtéが担当した。
 舞台の本番が間近に迫る中、夛田は制御不能に陥り、物語は予期せぬラストへ。何が本当で、何が嘘なのか? 虚実が混ざり合う、恐ろしくも滑稽な舞台の幕が、今切って落とされる。

Story

 1999年。厳格な家庭に育った近田貴子は、両親に恋人との結婚を反対され、ある計画を実行に移す。それはエリートのマサキと結婚し、彼を殺害した後、その戸籍を恋人に引き継がせ、夫婦として生きる計画だった。しかし貴子の歪んだ欲望は、さらなる殺人を引き起こし――。
世間を震撼させた〈配偶者入れ替え連続殺人事件〉から数十年後。
演出家の加藤と脚本家の垣内は、実際に起きた事件にもとづく舞台劇の制作に取りかかっていた。殺害される夫・マサキ役のオーディションに現れた夛田は、IT企業に勤めるプログラマーで、プロの役者ではない。だが妻のアリサが男たちと次々に関係を持ち、それがもとで離婚した夛田にとって、女に乗り換えられる夫役を演じられるのは自分しかいなかった。
主人公の貴子とマサキに抜擢されたのは、女優として活路を見出せずにいる米良と、素人の夛田だ。加藤の威圧的な演出を受け、脚本の解釈をめぐり垣内と議論しながら、稽古に取り組んでいく夛田。しかし役柄に自分の経験を重ね、深くのめり込んでいった夛田は、やがて役と現実の境目を見失ってしまう。そしてマサキそのものになってしまった夛田は、妄想が混じり合う、辛辣な言葉を吐き出していく。
「パワハラ演出家! 疑似フェミニスト! 売れない女優! おかしいのはお前たちだ! 僕は本当のことを言っているだけだ!」
 自分は正しいと盲信する夛田の暴走は止まらない。舞台の本番が間近に迫る中、ついに恐ろしい出来事が起きてしまい――。