若くして日本映画界を牽引する石井裕也監督の待望の最新作が、観る者すべての魂を激しく震わせる。 商業映画デビュー作『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞。 『舟を編む』では第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞はじめ6部門制覇、 そして第86回アカデミー賞外国語映画部門の日本代表作品にやはり史上最年少で選出。 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』では第91回キネマ旬報ベスト・テン第1位など、数多くの映画賞を席巻。 他にも『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』『町田くんの世界』といった多彩な作品群を手掛け、 国内外で突出した評価を得る。 こういった華麗な経歴も、『生きちゃった』の前では不要かもしれない。石井裕也は新たな場所に飛んだ。 今回は自らプロデューサーも兼ね、瑞々しい初期衝動が全力で爆発する。“再デビュー作”とでも呼ぶにふさわしい勇猛果敢な挑戦だ。
幼なじみの妻・奈津美と5歳の娘・鈴と暮らす山田厚久は平凡だがそれなりの生活をおくっていた。 厚久には幼なじみの武田がいる。 ある日、会社を早退して帰宅すると、妻と見知らぬ男が情事にふけっているところを目撃する。 あまりにも急な出来事に戸惑いを隠せない厚久は自らの感情に蓋をするしかできなかった。 その日を境に厚久と奈津美、武田の関係は歪んでいき、予期せぬ方向へと向かっていく…。