それでも、生きて、生きる。これは私たちの物語。 激しくも切ない魂のドラマが、茜色の希望をともす! この世界には、誰のためにあるかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりありふれている。 そんな、まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄されている、一組の母子がいた。 哀しみと怒りを心に秘めながらも、我が子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。 その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。 もがきながらも懸命に生きようとする勇気と美しさにきっと誰もが心を揺さぶられ、涙する。 いよいよ社会のゆがみが浮き彫りになっている現代日本。 そこで生きていくことは決して楽じゃない。 でも生きるに値する未来は必ずやってくる。 茜色の希望をたなびかせて、厳しくも澄みきった人間賛歌がここに誕生した!
1組の母と息子がいる。 7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。 母の名前は田中良子。 彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。 中学生の息子順平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒も見ている。 経営していたカフェはコロナ禍で破綻。 花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。 数年ぶりに会った同級生にはふられた。 社会弱者ーそれがなんだというのだ。 そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだからー。 はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?