1122 いいふうふ

1122

1122 いいふうふ

1122

2024年06月14日公開

Director

今泉力哉

Cast

高畑充希
岡田将生
⻄野七瀬
高良健吾

吉野北人
中田クルミ
宇垣美里
土村芳
菊池亜希子
内田理央
芹澤興人
前原滉
橋本淳
市川実和子
片桐はいり
森尾由美
宮崎美子
成田凌
風吹ジュン

OFFICIAL WEBSITE

Introduction

毎月第3木曜日。それは夫が恋人と過ごす夜-。

結婚して7年目をむかえる夫婦の一子(いちこ)と二也(おとや)。「いちこちゃん」「おとやん」とお互いを呼び合う二人は、30代半ばの共働きで、子供はまだいない。フリーランスで仕事をしながら、気のおけない女友達と定期的に会って、ざっくばらんなトークを楽しむ一子。ワークライフバランスを保ち、趣味の生花教室に通っては、持ち帰った花をリビングに飾る二也。結婚記念日や相手の誕生日には一緒に美味しいものを食べてお祝いする。賢くて愉快で少しズボラなところもある一子と、細やかで家庭的で優しさゆえの鈍感さを持ち合わせている二也は、ニコイチで補い合うように暮らしを共にしてきた。気の合う夫婦であり、何でも話せる親友でもあり、側から見れば羨ましいほど理想的なパートナー同士……たとえセックスレスでも。そう、実は彼らの結婚生活は、ある秘密の協定によって支えられている。それは“婚外恋愛許可制”の公認だった。

原作:渡辺ペコ ×監督:今泉力哉 ×脚本:今泉かおり

 「にこたま」「恋じゃねえから」などの渡辺ペコが2016年から2020年にかけて連載していた漫画「1122(いいふうふ)」。今どき夫婦のリアルな本音に踏み込んだ描写で、「妻に読ませたくない」「夫に読ませたい」と既婚者をざわつかせたミレニアル世代のマリッジ・ストーリーが、Prime Videoの連続ドラマとして世界独占配信される。実写化を手がけたのは日本映画界きっての恋愛映画の名手とされる今泉力哉監督。しかも今回は実の妻である今泉かおりが脚本を執筆している。夫婦による初の合作となる本作では、婚外恋愛、セックスレス、不妊治療などのトピックにも言及しながら、軽やかにそしてリアリティたっぷりなラブストーリーとして描かれる。恋愛の先にある結婚、夫婦はどうしたら関係を維持できるのか? その方法を見つけるために、男女双方のキャラクターのパーソナリティやセリフ回しに込められた思いなど、原作のメッセージとエッセンスを最大限に反映させた会話劇を作り上げた。 

高畑充希、岡田将生、西野七瀬、高良健吾・・・素晴らしいケミストリーを放つ出演者たちが模索する、ふたりだけの夫婦のあり方
 フリーランスのウェブデザイナーとして働き、ものの見方やユーモア感覚に独自のセンスを持つ一子に高畑充希。文具メーカーの社員で、家事や料理が上手く穏やかな性格の二也に岡田将生。W主演にして初共演となる二人が、親愛と信頼でつながっているからこそ自分たちを追い詰めてしまう夫婦の、不器用で愛おしくキュートなケミストリーを紡ぎ出している。二也の婚外恋愛の相手である美月は西野七瀬がつとめ、二也とのW不倫というセンシティブな道を選びながらも、夫の無理解とワンオペ育児に疲弊する専業主婦の孤独とSOSを体現。その美月の夫の志朗を高良健吾が演じ、子供を育てながら家族を守ろうとするもう一組の夫婦のチャレンジを見せる。さらに一子が心と体のケアを求め、その若さと眩しさで魅了する女性用風俗のセラピスト・礼に吉野北人(THE RAMPAGE)。一子の大学時代の友人で相談相手になる五代には、『愛がなんだ』(19)でも今泉監督と呼吸を合わせた成田凌。二也の姉のとう子を菊池亜希子、一子の母の奈々を風吹ジュンが演じた。また、一子の学生時代からの友人たちには中田クルミ、宇垣美里、土村芳らが顔を揃え、女性の多様な生き方をうかがわせる。

 撮影は『ドライブ・マイ・カー』(21)の四宮秀俊、照明は『夜明けのすべて』(24)の秋山恵二郎が担当するなど、映画畑のスタッフが集まった座組みによる映像のクオリティは本格仕込み。主題歌は2023年に発売されたスピッツのアルバム「ひみつスタジオ」に収録されていた「i-O(修理のうた)」。今泉監督が子供のころからファンだったというスピッツの楽曲と歌詞の世界が、夫婦たちの未来を温かく包み込む。

 結婚は義務じゃない。一緒にいることに無理があるならば離婚する選択肢もあるはず。なのに夫婦を続けていこうとする矛盾。一子と二也のやり方は一見いびつで特殊かもしれないけれど、それでも別れないのは、やっぱり「好き」だから? 思いが通じ合って結婚した相手に、もう一度片思いをするようなラブストーリーは、夫婦であり家族であることの幸せと難しさを描きながら、自分たちだけのベストな夫婦のあり方を探していく。これは「ふたりでいること」をあきらめないすべての人に届けたい、結婚というハッピーエンドの続きにある物語。

Story

結婚して7年になる相原一子(高畑充希)と二也(岡田将生)。二人とも30代半ばになり、子供を持つことを考えないわけではないけれど、今の自由で穏やかな生活は心地よい。むしろ一子の性欲は「凪」状態--実際、二也との性生活は2年もストップしている。きっかけは一子が二也の誘いを断ったこと。夫婦仲はいいし、言葉でコミュニケーションがとれていれば、体の関係はなくてもいいと思っていた。しかし、たかがセックス、されどセックス。面倒くさがってないがしろにしているうちに、すっかりレスになってしまっていた。

 窓が大きくて明るいマンションは二人でこだわって探したお気に入り。フリーのウェブデザイナーである一子は在宅で働く時間も長い。リビングの棚に週替わりで飾られる生け花は、文具メーカーに勤める二也の趣味だ。一年ほど前から二也が会社帰りに通う生花教室には、一児の母である美月(西野七瀬)の姿も。そう、彼女は二也の「恋人」。毎週木曜日の生花教室は二也が恋人と会う日。特に第三木曜日は夜が遅い。そのことは一子も知っていた。二也の恋は夫婦公認の家庭外恋愛なのだ。

 二也のことは好きだけれど、恋愛感情や性的な欲求には寄り添えない。ならば二也の恋は尊重するべきだ--夫婦がこの先も一緒にいるために。だけど結婚記念日の旅行よりも美月と会うことを優先させようとした二也に、一子はつい声を尖らせる。公認とはいえ外での恋愛は家庭内に持ち込まないことがルール。嫉妬ではない、と思う。でも、家の中でも恋愛オーラ全開の二也を見ると、どうしようもなく心がざわざわする。さらに旅行中のセックスを二也に拒まれた一子はショックを受け、焦りと寂しさを隠せない。

 そんなとき、一子は友人たちから聞いた女性向け風俗の話を思い出す。高級エステの裏メニューだという秘密のスペシャルコース。現れたのは金髪の眩しい美青年・礼(吉野北人)だった。礼の圧倒的な若さと美しさ、そして二也のついたある嘘が、一子のためらいを吹き飛ばす。礼の完璧なエスコートでベッドを共にした一子は、肌と肌の触れ合いを通した丁寧なコミュニケーションに、久しく遠ざかっていた悦びを味わう。

 一方、美月は一人息子のひろの発達が遅れ気味で、姑との関係にも悩んでいた。夫の志朗(高良健吾)に相談しても育児は任せていると言って耳を傾けてくれない。美月にとって二也といるときは唯一の心安らげる大切な時間だったが、それは志朗のシンガポール転勤で急な終わりを迎える。だからこそ、最後の日はとびきりの思い出で締めくくりたかったのに、セックスを拒まれ、「美月さんの友達になれたら嬉しい」という二也からの思いがけない言葉で、距離を置かれた美月。ふと、視界に入った生花用の剣山をおもむろに手にして、二也の急所を刺す美月。痛みに戸惑う二也を見つめながら、「私と別れても他の人とセックスなんかしないでほしい」と言う美月の顔が、二也の脳裏に焼きついて離れない。

美月との恋を終わらせた二也と、礼との関係を二也に知られた一子。しばらく一人になってそれぞれ考え、二人が話し合って出した結論は、<夫婦をやり直す>こと。二人は「次に進む」ために子供をつくろうと決め、不妊治療を始めるが……。

Poster

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