主人公・創太を演じるのは、自身もプロボクサーの経歴を持つ木幡竜。 プロボクサー、サラリーマンを経て一念発起で俳優を志すも芽が出ず不遇の時代を過ごしたが、オーディションで出演を勝ち取った中国映画『南京!南京!』(09)で高い評価を得ると、単身中国に渡り中国語を独学で学びながら翌年のアンドリュー・ラウ監督の『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』でドニ―・イェンと死闘を演じる悪玉のトップを演じ中国国内で一躍注目を浴びる。 以来、中国を拠点に映画やドラマに出演。中国語もマスターし、中国人としてキャスティングされるほど。 近年は『サムライマラソン』(19)で長谷川博己の適役として、昨年は綾野剛主演のドラマ「アバランチ」で最狂の敵を演じ、 日本でも活躍の場を広げ、俳優を目指してから16年、遂に日本映画初主演作に辿り着いた。 中国の監督・俳優たちと対等に渡り合ったキャリアを生かし、過酷な減量とトレーニングで体脂肪率3%まで搾り上げた鋼のような肉体が魅せる本格アクションは、常軌を逸した「殴り合い」ギリギリを攻める! また、井上尚弥を始めとする世界チャンピオンを輩出した大橋ボクシングジムがファイトシーンに特別協力し、本物の迫力がスクリーンからほとばしる。
長年の闘いが体を蝕みドクターストップによって強制的に引退を迫られたボクサー・楠木創太(木幡竜)は、闘いへの未練と執着を捨てきれぬ中、恋人との結婚を機に引退を決意する。 新しい生活を築くために仕事に就くも、人生の大半をボクシングに捧げてきた創太は何をやってもうまくいかない上、社会にも馴染めず苦しい日々を過ごす。 そんなある日、創太のファンだと名乗る謎の男から大金を賭けて戦う欲望うずめく地下格闘技へのオファーを受ける。一度だけの思いで誘いに乗った創太だったが、忘れかけた興奮が蘇り、再び闘いの世界にのめり込む。 彼にとってその高揚感は何物にも代えがたいものだった。闘うことに憑りつかれた男の狂気と愚直なまでの生き様は果たして喜劇となるか悲劇となるか? 今、再び闘いのゴングが鳴る――。